●シュナーベルのベートーヴェンについて
アルトゥール.シュナーベルが、レコード界に登場したのはそれ
ほど古い時代ではない。1882年オーストリアのリプニックに生まれ
たというから、バックハウスとほぼ同世代人なのだが、はじめてレ
コーディングしたのは1932年、すでに電気録音法の躍進期になって
いた。最初はサージェント指揮による、ベートーヴェンの「皇帝」
協奏曲であった。さらにこの年から35年にかけて、ベートーヴェン
の協奏曲全集をはじめてレコード化し、その上1939年までの7年間
をかけて、ベートーヴェンの32のピアノソナタ全曲を史上はじめ
てレコード化し、ディアベリ変奏曲やバガテルを含む補巻3巻を加
える大プロジェクトを完成させたのである。
当時のヨーロッパでシュナーベルといえば、まずベートーヴェン
であった。それは1927年ベートーヴェン死後100年祭にあたって、
ピアノ,ソナタ全曲連続演奏会という偉業を果し、1924年からベー
トーヴェンのソナタとディアベリ変奏曲の楽譜を校訂出版したから
でもあった。この全集楽譜は、今もアメリカのサイモン&シュスタ
ー社から出版されていて入手できるが、大変多くの脚注がつけられ
て、当時ベートーヴェンの意区図にもっとも忠実なエディションとし
て尊敬されたのである。こうしたジュナーベルに対して、ニューヨ
ークタイムスの批評家ハロルドC.ショーンバーグは、「ベート
ーヴェンを発明した男」と比喰したことがある。
シュナーベル以前のピアニストは、ベートーヴェンをテクニック
のショウピースとしてあつかうか、またはセンチメンタルな感情
の大荒れをきかせるのが通例であった。若い頃のバックハウスが前
者の面影を宿し、ケンプに後者の移り香をかぐことができる。だが
シュナーベルは、務めて楽譜を合理的に解釈して、音楽的純粋性の
みをつかみ出し、ベートーウヴェンを本来あるべき姿に蘇えらせたの
だといっていいだろう。その意味で彼は、現代のベートーヴェン演
奏のスタートラインを引いたのである。
シュナーベルはこのレコードをきいてもわかるように、決してヴ
イルトゥオーゾタイプのテクニシャンではない。そればかりか、
相当なミス,タッチまで散見される。青年時代彼は師のレシェティ
ッキーから、「君はピアニストじゃない。音楽家だ。」といわれたそ
うだが、これはこの弟子のメカニカルな技巧のいく分の弱さを指摘
すると同時に、より以上に知的で構成的な天与の資質を見ぬいたこ
とばであろう。彼はそうした資質を自覚していたのか、ロマン派の
ショウピースやロシア音楽に決して手を出さなかったぱかりか、
ショパンさえもひこうとはしなかった。シュナーベルのレパートリ
ーは、ベートーヴェン、プラームス、シューベルト、モーツァルト、
そしてシューマンにかぎられていた。オーストリア生まれのポーラ
ンド系ユダヤ人だったシュナーベルが、自ら育った享楽的な雰囲気
を嫌って、ドィツのベルリンをこよなく愛したという性格も、彼の
音楽的な好みを知る上で大きなかかわりを持っているようだ。
彼が当初レコード録音を嫌った理由は、もちろん録音方法が幼稚
で、音質が生演奏と大きくへだたっていたことへの良心的な抵抗も
あっただろうが、レコードをきく人間がどんな服装をしているか、
どんな態度で耳を傾けているか、どれほど真剣であるかがまったく
わからないという疑問を持ち続けていたというのも、シュナーベル
の誠実できびしい音楽への姿勢をよく示していると思う。
シュナーベルのベートーヴェンのソナタは、技巧をこえたところ
にひとつの真実な世界が開かれるのであり、それはあくなき作曲家
への忠誠と奉仕の上に成り立つことを彼自身かたくななまで信じて
いたにちがいないのである。したがって当時の同僚たちがこぞって
彼を「ピアノ演奏における近代ドイツ派の原型」と呼んで賞讃した
のであろう。今このやや古びたレコードをきいても、なおある種の
さわやかさと健康さが伝わってくるのは、シュナーベルのアプロー
チが決して本道をはずれたものではなかっだからだ。その意味で彼
のペートーヴェン演奏は、ひとつの時代のスタンダードを示したも
のといっていい。
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ No.22,No.23,No.24,No.25,No.26
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