名門シャルル・ノエラの希少古酒
なかでも、コンディションも抜群によい優良古酒の2本組です。
熟成によって花開く、黄金の丘「コート・ドール」の17年熟成は、
ブルゴーニュの神髄とも言える、力強いストラクチャーとフィネスを兼備した見事な味わいが存分にお楽しみ頂けます。
『ブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエに匹敵する』と言わしめた伝説的なドメーヌ「シャルル・ノエラ」。
不運にも1988年にラルー・ビーズ・ルロワ(マダム・ルロワ)に売却され、その輝かしい歴史に一旦幕が下りました。
その偉大さや、傑出したワインの存在感は心に残り、
震える体験を何度かしていますが、
もう造られていないのですから、世に出回る古酒のストックは減る一方。
伝説と化し、近年はもうボトル自体をほとんど見かけなくなって来ていました。
数年前でもリシュブール・グラン・クリュは、20万円以上したと記憶します。
わずかに存在したが1本20~40万円はする、
その幻のお宝ワインを通じて後世に伝えられてきた
偉大なノエラの歴史がいよいよ終わろうとしていた時、
実孫である「ステファン・モロー」が立ち上がってくれました。
自身のルーツであるドメーヌ・シャルル・ノエラがルロワに破格の値段で売却され、消滅してしまったことを口惜しく思い、
なんとか現代にその名声を復興できないかと模索。
紆余曲折を経て、ラベルデザインも当時のままに、現代に見事大復活を遂げたのです。
シャルル・ノエラという偉大な家系の恩恵によるネットワークと、
ブルゴーニュNO.1クルティエ(ワインの仲買人)と呼ばれた父がいたことから、すばらしい古酒の数々の発掘に成功。
古酒愛好家の垂涎の的となっています。
広大な情報網を持つノエラのブランドは、その発掘力が群を抜いており、ブルゴーニュでは絶大な信頼を得ています。
元クルティエならではのネットワークを最大限に活かして、
古き良きブルゴーニュの有力生産者の蔵に眠っているオールド・ヴィンテージのボトル買いも行っています。
その膨大なストックと品質の高さはブルゴーニュでも特に有名で、
ルイ・ラトゥール、ジョゼフ・ドルーアンやアルベール・ビショーなどの優良ネゴシアンもこぞって買い付けに来るほどです。
ブルゴーニュワインの中心地である「ボーヌ」は、
古代ローマのカエサル(紀元前100年-紀元前44年)が建設に着手した城塞都市。
現在も中世ヨーロッパの面影を色濃く残す、石畳の美しい街です。
城壁に囲まれたボーヌの旧市街は、半径わずか400メートル程度ですが、街の南側にあるオテル・デューの幾何学模様の屋根は世界的に有名です。
ブルゴーニュを旅する方の多くが、この景観に感動を憶えることでしょう。
「ボーヌ」とは、また『ブルゴーニュワインの首都』。
レストランやホテルなどその全てが、ワインの為に存在する町。
聖地「コート・ドール」の中心に位置しており、
全AOCの7割に相当する42もの1級畑を擁し、生産量が最も多いAOC。
穏やかなミクロクリマ(微気候)によって、芳醇な果実味と滑らかでまろやかなテクスチャーを特徴とする上質ワインが数多く産まれます。
今回出品の1本、「ボーヌ・シセルプ」とは、
ボーヌの一級畑「レ・ゼグロ」の西の飛び地にあるという非常に珍しい稀有な村名畑。
繊細なタンニンと絹のように滑らかなテクスチャが特長のエレガントなピノノワールです。
また「サヴィニー・レ・ボーヌ」とは、
『ボーヌの傍ら』という意味を持ち、コード・ド・ボーヌ地区の北部に位置するアペラシオン。
ワイン造りは10世紀頃から始まっていたと言われ、中世にシトー派修道会が大規模に開拓したことで盛んとなりました。
全生産量の9割を赤ワインが占め、繊細さと果実感の調和が取れた上品さが特徴のピノノワールが造られます。
また、こちらは特に優れたロットのみを特別にボトリングした、
数量限定"スペシャル・セレクション"の1本。
通常品と比べて1ランクも2ランクも上質なサヴィニーだけに、
ボーヌのプルミエ・クリュにも全く引けを取らない1本です。
2008年は、ブルゴーニュ赤の秀逸年。
収穫時期を迎える前に気候が安定して、良く熟した果実の収穫に成功した優良年です。
収量が少ない為に日本への輸出量も極々少ない年。
いずれの銘柄も程よい酸と果実味のバランスが優れたピノノワールに仕上がりました。
17年の時を経て飲み頃ですが、ここから更なる高みへと昇る段階にあります。
グラスに注いだ瞬間から、甘いベリージャムの華やかな香りが広がり、熟した果実味がたっぷりと感じられる厚みのある味わい。
太い骨格がありながらも、花畑のように華やかな風味がエレガンスを与えます。
ゆっくりと時間をかけて堪能したい、
余韻の長さも秀逸な2本です。