基本情報|Release Information
レーベル:Contemporary Records
品番:P-7563(S7532)
フォーマット:LP, Album, Reissue, Stereo
国:Japan
リリース年:1982
タグ:Jazz, Bop, West Coast, Prestige Rhythm Section, Japanese Pressing, Audiophile
作品の解読|Decoding the Work
再起の音とは、かくも瑞々しいものなのか──。
Art Pepper Meets The Rhythm Section。そのタイトルは説明であると同時に、ある奇跡の座標を指し示している。1957年1月19日、ロサンゼルス。マイルス・デイヴィスのリズムセクション(Red Garland, Paul Chambers, Philly Joe Jones)が、西海岸の異端児Art Pepperと邂逅する。ただそれだけの事実が、なぜここまで深く響き続けるのか。
その理由は、演奏が「計画」ではなく「遭遇」だったからだ。前夜まで行方不明だったPepperが、急遽スタジオに現れ、一発録りで吹き込まれたというエピソードはあまりに有名だが、そこにあるのは逸話ではなく、緊張と開放が同居する即興的な美。スタンダード「You'd Be So Nice To Come Home To」の冒頭、アルトの一音目から、時代の空気がたちまち変容していく。
演奏はしなやかでありながら、リズムには一切の甘えがない。Garlandのピアノは深く、Chambersのベースは宙吊りのように浮遊し、Philly Joeのドラムは常に予兆をはらんでいる。対峙するPepperは、その緊張を抱きしめるように、音を吹く。彼のソロには自己破壊と希望が混在し、ジャズというジャンルが持つ倫理と瞬間性を一つに束ねている。
この盤は、1982年、Warner-Pioneer制作の日本盤再発であり、特有の静謐な音場設計と優れたプレス精度により、原音の持つ温度と濃度が見事に再現されている。帯にはSwing Journal推薦ロゼットが添えられ、日本ジャズ文化がこの録音に与えた再評価の眼差しが感じ取れる。油井正一による日本語ライナーも付属し、記録と記憶の両義性を備えた再発盤としての完成度が高い。
Pepperの音が震えるそのたびに、リズム隊が受け止め、跳ね返す。この静かな応酬は、いま聴いてもなお「出会い」が持つ力を証明してやまない。
状態詳細|Condition Overview
メディア:NM(美盤)
ジャケット:EX+(リングウェア上部に若干のたわみ、裏面下部にごく軽い汚れ)
付属品:帯、インサート付属
支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。